子どもの楽器の習い事|何歳から、何を選ぶか
楽器ごとに始めやすい年齢は違います。体格との相性、家での練習環境、費用の考え方、続かなかったときの楽器の扱いまでまとめました。
子どもに楽器を習わせたいと思ったとき、最初に迷うのが「何歳から始めるか」と「どの楽器にするか」です。早く始めたほうが有利という話も聞きますが、楽器によって体格の条件が違うため、年齢だけでは決められません。
この記事では、楽器ごとの始めやすい年齢の目安、体格との相性、家での練習環境、費用の内訳、そして続かなかったときにどうするかまでを順に整理します。教室選びの前に、家庭側で決めておくとよいことが中心です。
なお、ここで挙げる年齢はあくまで一般的な目安です。同じ学年でも手の大きさや集中の続く時間には差があるので、最終的には体験レッスンで先生の意見を聞くのが確実です。
楽器ごとの始めやすい年齢
ピアノは比較的早い年齢から始めやすい楽器です。鍵盤を押せば音が出るので、音を出すこと自体でつまずきにくく、就学前から通える教室が多くあります。3〜4歳台はリトミックのように音楽に慣れる内容から入り、譜読みや両手の演奏は小学校に入る前後から本格化する、という流れが一般的です。
バイオリンも分数サイズの楽器があるため、幼児期から始められます。ただし姿勢を保って構える必要があり、音程を自分で作る楽器なので、ピアノより先生と家庭のサポートが要る場面が増えます。
管楽器は事情が違います。息を使い、マウスピースをくわえて音を作るため、永久歯が生えそろい肺活量がある程度ついてからのほうが無理がありません。小学校高学年から中学の吹奏楽で始める人が多いのは、この体の条件と部活動の時期が重なるためです。ギターやドラムも、弦を押さえる指の力や、手足を別々に動かす体格が要るので、小学校の中学年以降が現実的な入り口になります。
体格との相性で決まること
楽器選びで年齢より効いてくるのが体格です。手の大きさ、腕の長さ、身長、口まわりの発達。これらが足りていないと、練習量を増やしても弾きにくさが解消しません。無理な姿勢が癖になると、あとで直すほうが大変になります。
子ども用の楽器が用意されているものは、体格に合わせて選ぶのが前提です。バイオリンには身長と腕の長さで選ぶ分数サイズがあり、大きめを買って長く使うという考え方は通用しません。ギターにもミニサイズやショートスケールの製品があり、体格に合わない大きさから始めると、コードを押さえる段階で挫折しやすくなります。
体格が合わない時期は、無理に本人の楽器を持たせず、教室の楽器を借りて様子を見るという判断もあります。始める時期を半年遅らせたほうが結果的に早く進むことは珍しくありません。
家での練習環境をどうするか
習い事は週1回のレッスンより、家で毎日触れるかどうかで進み方が変わります。そのため、楽器を置く場所と音を出せる時間帯を先に決めておくと、始めてからの摩擦が減ります。
置き場所は、ケースから出す手間が少ない場所が向きます。押し入れの奥にしまうと、それだけで練習の頻度が落ちます。一方で、直射日光の当たる窓際やエアコンの風が直接当たる場所は、木を使った楽器には向きません。
音の問題は住環境によります。集合住宅でアコースティックピアノやドラムを検討する場合は、音量を落とせる手段があるかを先に確認します。ピアノなら音量を調整でき、ヘッドホンも使える電子ピアノの選び方を知っておくと選択肢が広がります。ドラムや管楽器のように音量を絞りにくい楽器は、自宅でできる防音対策の範囲を把握したうえで判断してください。
かかる費用の内訳
費用は月謝だけを見ると見誤ります。実際にかかるのは次のような項目です。
- 入会金・教材費(始めるときの一時費用)
- 月謝(教室・地域・レッスン時間で幅があります)
- 楽器本体(購入かレンタルか)
- 消耗品(弦、リード、松脂、スティックなど)
- 維持費(ピアノの調律、管楽器の点検・修理)
- 発表会やコンクールの参加費
金額は教室や楽器によって大きく変わるので、事前に一覧で確認するのが確実です。特に見落としやすいのが消耗品と維持費で、これらは月謝と違って毎月一定ではありません。管楽器のリードや弦楽器の弦は使い続ける限り必要になり、アコースティックピアノは定期的な調律が前提になります。
成長に合わせて楽器を買い替える前提の楽器では、買い替え費用も見込んでおきます。分数サイズのバイオリンのように数年で交換するものは、購入とレンタルのどちらが合うかを最初に検討しておくと後が楽です。
続かないときに考えること
やめたいと言い出したとき、すぐに続行か中止かを決めなくても構いません。多くの場合、原因は楽器そのものではなく別のところにあります。曲が難しくなって進まない、練習の時間が確保できない、先生との相性が合わない。原因によって打つ手が変わります。
先に試せることとして、レッスンの頻度や時間帯を変える、しばらく課題曲を本人の好きな曲に切り替える、教室を変えてみる、といった調整があります。楽器が体格に合っていないことが理由だった、という例もあります。
それでも本人の気持ちが戻らないなら、一度離れる判断も選択肢です。数年後に本人の意思で再開する人もいますし、別の楽器に移って続く場合もあります。習い事が終わることと、音楽から離れることは同じではありません。
使わなくなった楽器をどうするか
習い事が終わると、家に楽器が残ります。しばらく置いておくのは構いませんが、放置したまま年数が経つと状態が落ちるので、どこかで扱いを決めることになります。
選択肢は、そのまま保管する、きょうだいや知人に譲る、売る、引き取ってもらう、のいずれかです。楽器の種類と状態によって向く方法が変わるので、判断の材料は使わなくなった楽器の手放し方にまとめています。再開する可能性があるなら、湿度を避けた場所で保管したうえで、定期的に状態を見ておきます。
ピアノだけは他の楽器と事情が違います。重量があり、搬出に人手と経路の確認が要るため、置いたままにするか手放すかを決めるだけで時間がかかります。ピアノの扱いを具体的に検討する段階になったら、ピアノ買取の比較サイトに業者ごとの違いがまとまっているので、そちらを見ると判断しやすくなります。