初心者向けギターアンプの選び方|出力・自宅での音量・種類

🎸 ギター・ベース | 楽市編集部

自宅で使うアンプに大出力は要りません。出力の考え方、真空管とトランジスタの違い、ヘッドホン端子や内蔵エフェクトまで、最初のアンプの選び方をまとめました。

エレキギターを始めると、本体の次に必要になるのがアンプです。ところが楽器店に並ぶアンプは、手のひらに載る小さなものから人の背丈ほどある大きなものまで幅があり、どれを基準に選べばいいのか分かりにくいところがあります。

選ぶときに最初につまずきやすいのが「出力」の数字です。大きいほど良いものだと考えてしまいがちですが、自宅で使う前提なら話は逆で、出力が大きすぎるアンプは本来の音が出せないまま置物になります。ここでは出力の考え方から始めて、真空管とトランジスタの違い、本体の形、ヘッドホン端子、内蔵エフェクト、そしてアンプを買わないという選択肢まで、順に見ていきます。

これからギター本体を選ぶ段階の方は、最初の1本の選び方のほうを先に読んでいただくと、アンプに回せる予算の見当がつきやすくなります。

自宅で必要な出力の目安

アンプの出力はワット(W)で表されます。自宅の部屋で弾くだけなら、10W前後のものでも音量は十分に足ります。むしろ足りすぎるくらいで、集合住宅では音量つまみを1割ほど上げただけで隣室に届く音になります。

30Wを超えると、バンドでドラムと合わせても埋もれない音量帯に入ります。数字の上では自宅でも使えますが、そうしたアンプは音量を上げたときに本領を発揮する設計になっているものが多く、絞って使うと薄い音のまま終わってしまうことがあります。最初の1台としては、自宅の音量で気持ちよく鳴る小さめのものを選ぶほうが結果的に長く使えます。

スピーカーの口径も音量感に関わります。同じ出力でも、口径が大きいほど低音が出て音が前に飛びます。狭い部屋で使うなら、小さめの口径のほうが扱いやすい場面が多くなります。

真空管アンプとトランジスタアンプの違い

アンプは音を増幅する仕組みによって、真空管(チューブ)を使うものと、トランジスタなどの半導体を使うものに大きく分かれます。真空管アンプは音量を上げていくと音が自然に歪んでいく特性があり、その質感を求めて選ぶ人が多い方式です。ただし真空管は消耗品で、数年おきに交換が必要になります。本体の値段も重くなりがちで、そもそも音量を出せる環境が要ります。

トランジスタアンプは、小音量でも設定した音がそのまま出て、消耗品の交換もほとんど要りません。壊れにくく、価格帯も広く、自宅で使う分には扱いやすい方式です。最近は真空管の挙動を回路やデジタル処理で似せたモデルも多く、以前ほど「トランジスタだから音が悪い」という話にはなりません。

最初の1台としては、まずトランジスタのものを選んで、音量を出せる環境が手に入ってから真空管を検討する順番が現実的です。

コンボアンプとスタックの違い

コンボアンプは、増幅する部分(アンプヘッド)とスピーカーが1つの箱に収まったものです。これ1台で音が出るので、置き場所も配線も単純になります。自宅用として売られているアンプのほとんどはこの形です。

スタックは、アンプヘッドとスピーカーの箱(キャビネット)が別になっていて、2つを重ねて使います。ヘッドとキャビネットを別々に選べる自由度があり、大きな会場やスタジオで使われます。組み合わせを変えられるのは利点ですが、置き場所も費用も2台分になり、自宅で持て余す典型でもあります。

据え置きで使うか、スタジオや練習場所に持ち運ぶかも決め手になります。持ち運ぶ予定があるなら、重さと取っ手の有無を店頭で確かめておくと後悔が減ります。

ヘッドホン端子の有無

自宅で弾く時間が夜に寄りがちな人にとって、ヘッドホン端子があるかどうかは出力より重要になることがあります。端子に挿すとスピーカーから音が出なくなり、ヘッドホンの中だけで演奏できるためです。真空管アンプにはこの端子が付かないモデルもあるので、そこも選ぶ前に見ておく点です。

あわせて、スマートフォンや音楽プレーヤーをつなぐ入力端子が付いているモデルもあります。音源を流しながらその上で弾けるので、練習の道具としては便利です。

ヘッドホンを使えば近所への音は消えますが、椅子の軋みや足でリズムを取る音、ピックが弦に当たる音は残ります。生活音として無視できない場面もあるので、集合住宅で気になる方は自宅でできる防音対策の考え方もあわせて見ておくと安心です。

内蔵エフェクトをどう考えるか

最近の小型アンプには、歪み、リバーブ(残響)、ディレイ(やまびこのような反復)といった効果があらかじめ組み込まれているものが増えました。エフェクターを別に買い足さなくても、つまみを回すだけでひと通りの音が出せます。

最初のうちは、この内蔵エフェクトで十分に足ります。始めたばかりの段階では、どの効果が自分の弾きたい音に必要なのかがまだ見えていないことが多く、先に個別のエフェクターを揃えると使わないまま残りがちだからです。内蔵のものをひと通り触ってみて、足りないと感じた部分だけ後から足すほうが無駄が出ません。

逆に、つまみが多いほど良いというわけでもありません。触る機会のない機能が並んでいると、かえって設定が分かりにくくなります。音量、音色、歪みの量が素直に操作できるかどうかを、店頭で実際に回して確かめてみてください。

アンプシミュレーターという選択肢

アンプを買わずに始める道もあります。アンプシミュレーターは、さまざまなアンプの音をデジタルで再現する機材やソフトのことです。ギターを小さなオーディオインターフェースを介してパソコンやスマートフォンにつなぎ、ヘッドホンで音を聴きます。

置き場所を取らず、深夜でも音量を気にせず弾けて、録音もそのまま行えるのが利点です。住環境の制約が大きい人や、録音してみたい人には現実的な選択肢になります。一方で、空気を震わせたスピーカーの音を体で受ける感覚は得られません。バンドでスタジオに入る予定があるなら、いずれ実機のアンプを触る場面は出てきます。

どちらか一方に決める必要はなく、自宅は小型アンプかシミュレーター、大きな音はスタジオのアンプを借りる、という使い分けで足りることがほとんどです。なお、ここまでの話はエレキギター用のアンプについてで、ベース用のアンプは低音を扱う分だけ設計が異なります。ギター用アンプにベースをつなぐとスピーカーを傷める場合があるため、ベースを選ぶときは専用のアンプを用意してください。

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