フルート初心者が最初に知ること|選び方と練習の始め方

🎺 管楽器 | 楽市編集部

フルートの頭部管の素材、Eメカやカバードキイの違い、最初の音を出すまでの練習まで、始めるときに知っておきたいことをまとめました。

フルートは管楽器のなかでも比較的軽く、持ち運びしやすい楽器です。ただし、いざ選ぼうとすると「洋銀製と総銀製で何が違うのか」「リングキイとカバードキイはどちらがいいのか」「Eメカニズムは付けるべきか」といった、初めて聞く言葉が次々に出てきます。

ここでは、フルートを始めるときに知っておきたいことを、楽器の構造から順にまとめました。各部の名前、頭部管の素材、キイの形、Eメカニズムの役割、そして最初の音が出るまでの練習と、毎日の手入れまでを扱います。

値段の高い楽器が初心者に向くとは限りません。何がどう違うのかを先に押さえておくと、店頭で説明を聞いたときに判断しやすくなります。

フルートの構造と各部の名前

フルートは大きく3つのパーツに分かれます。息を吹き込む側から順に、頭部管(とうぶかん)、胴部管(どうぶかん)、足部管(そくぶかん)です。演奏するときはこの3本を差し込んで組み立て、しまうときは外してケースに収めます。

頭部管には歌口(うたぐち)と呼ばれる楕円形の穴があり、ここに息を当てて音を出します。唇が触れる平らな部分はリッププレートといいます。胴部管は指で押さえるキイが並んでいる、いちばん長いパーツです。足部管は末端の短いパーツで、低い音域を担当します。

足部管には2つの種類があります。最低音がドまでのC足部管と、半音低いシまで出せるH足部管です。入門向けのモデルはC足部管が中心で、H足部管は音域が広がる代わりに管が少し長く重くなります。始めたばかりの段階では、C足部管で足りないという場面はほとんどありません。

頭部管の素材の違い

フルートの価格差がいちばん大きく出るのが素材です。入門モデルは洋銀(洋白)という銅・亜鉛・ニッケルの合金に銀メッキを施したものが一般的で、その上に頭部管だけを銀にした「頭部管銀製」、管全体を銀にした「総銀製」と続きます。さらに上には金製もありますが、これは長く続けた人が検討する領域です。

素材が変わると音色の傾向や息の入り方が変わるとされます。ただし、それを弾き分けられるようになるのは、ある程度吹けるようになってからです。始めたばかりの時期は、素材よりも「歌口の形が自分に合っているか」「キイの動きが素直か」のほうが練習のしやすさに直結します。

最初の1本としては、洋銀製か頭部管銀製が現実的な選択肢になります。総銀製は魅力的ですが、続くかどうかがまだ分からない段階で背伸びをする必要はありません。同じことは他の管楽器にも当てはまり、サックスの選び方でも素材や仕上げは同じ考え方で整理できます。

カバードキイとリングキイ

指で押さえるキイには2種類あります。穴がふさがっているカバードキイと、キイの中央に穴が開いているリングキイ(オープンホール)です。リングキイは指の腹でその穴を完全にふさがないと音が出ません。

リングキイは、指がきちんと正しい位置に乗っているかが音ではっきり分かります。また、穴を半分だけ開ける奏法など、表現の幅も広がります。一方で、指の形が定まらないうちは音が抜けてしまい、練習が進まない原因になることもあります。

始めるときはカバードキイが無難です。リングキイのモデルには、穴をふさぐための栓(プラグ)が付属していることが多く、最初は栓をしてカバードキイのように使い、慣れてから1つずつ外していく方法もとれます。手の大きさや指の届き方には個人差があるので、可能なら実物を持たせてもらって確かめてください。

Eメカニズムとは何か

Eメカニズム(Eメカ)は、第3オクターブのミの音を出しやすくするための機構です。フルートはこの音がもともと不安定で、息の入れ方によってはかすれたり、ひっくり返ったりしやすい構造になっています。Eメカはキイの連動を工夫して、この音を安定させます。

入門〜中級のモデルでは標準で付いていることが多く、上位機種ではあえて付けない選択もあります。上級者は息のコントロールでその音を作れるため、機構が増えることによる重量や複雑さを避ける、という考え方です。

始める段階では、付いているものを選んで構いません。安定して音が出るというのは、練習の効率にそのまま響きます。カタログで「E-mech」「Eメカ付」と書かれていれば該当します。

最初の音が出るまでの練習

フルートは、構えて息を吹き込めばすぐ鳴る楽器ではありません。歌口のふちに息を当てて、その息を割ることで音が生まれます。角度と息の速さが合わないと、息の音だけが鳴って終わります。ここでつまずく人は多く、珍しいことではありません。

最初は頭部管だけを取り出して練習する方法が広く使われています。管の端を手のひらでふさぎ、リッププレートを下唇に当てて、息を細く前に出します。音が出たら、その唇の形と息の角度を覚えます。楽器全体を組み立てるのは、頭部管だけで安定して鳴るようになってからで遅くありません。

唇の形はアンブシュアと呼ばれ、これが固まるまでには時間がかかります。鏡を見ながら短時間を毎日、というほうが、週末にまとめて長時間吹くより身につきます。音が出せるようになると練習量は自然に増えるので、夜の時間帯に吹く可能性があるなら、早めに自宅での防音対策も考えておくと安心です。

手入れとしまい方

吹き終わったら、管の内側に付いた水分を必ず拭き取ります。掃除棒(クリーニングロッド)の穴にガーゼを通し、頭部管・胴部管・足部管をそれぞれ内側から拭きます。水分を残したままケースに入れると、キイの裏側にあるタンポというフェルト状の部品が傷み、音が出にくくなります。

外側は、指紋や皮脂をやわらかいクロスで拭き取ります。銀メッキや総銀は手の脂で変色していくので、演奏後に拭く習慣が効きます。研磨剤入りのクロスは、メッキを削ってしまうことがあるため、素材に合ったものを使ってください。この考え方はトランペットの手入れとも共通しています。

キイのネジやオイルは自分で触らないほうが安全です。フルートのキイは細かい部品が連動していて、少しずれるだけで音が出なくなります。1年に1回程度、楽器店や修理工房で調整に出すのが一般的です。組み立てるときにキイを強く握らないことも、ずれを防ぐうえで効いてきます。

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