電子ピアノの選び方|鍵盤タッチ・音源・スピーカーで見るポイント

🎹 ピアノ・鍵盤 | 楽市編集部

電子ピアノは価格帯によって鍵盤の作りが大きく変わります。鍵盤タッチ、音源、スピーカー、ペダルなど、選ぶときに見るべきポイントを順に説明します。

電子ピアノは、見た目が似ていても価格帯によって中身がかなり違います。特に差が出るのは鍵盤の作りで、ここが合っていないと、練習を続けるうちに物足りなさが出てきます。逆に言えば、鍵盤さえ納得できていれば、多少ほかの機能が控えめでも長く使えます。

この記事では、鍵盤のタッチ、鍵盤の種類、音源とスピーカー、ペダル、本体の形状という順に、選ぶときに見る場所を説明します。最後に予算帯ごとの考え方も整理しました。

店頭で短時間だけ触って決めると、音が出た感覚だけでタッチの差を見落としがちです。見る順番を決めてから試奏すると、迷いが減ります。

まず決めるのは鍵盤のタッチ

電子ピアノ選びで最初に確認するのは鍵盤のタッチです。音色やスピーカーは後から慣れる部分もありますが、鍵盤の感触は毎日手が触れるところで、合わないと弾く気持ちそのものが続きません。

アコースティックピアノの鍵盤は、押すとハンマーが動いて弦を打つ仕組みになっています。そのため低音側は重く、高音側は軽くなります。この重さの変化を再現しているかどうかが、電子ピアノの鍵盤を見る最初のポイントです。安価な機種にはバネで戻すだけのものもあり、これはピアノというよりキーボードの鍵盤に近い感触になります。

試すときは、ゆっくり押し込んで戻すときの抵抗と、弱く弾いたときに小さな音が出るかを見ます。弱音が出しにくい鍵盤は、表現の練習には向きません。将来アコースティックピアノを弾く場面があるなら、この点は特に見ておきたいところです。アコースティックピアノと電子ピアノのどちらを選ぶかで迷っている段階なら、先にそちらの判断軸を整理してからでも遅くありません。

鍵盤の種類(ハンマーアクション・木製鍵盤)

鍵盤の方式は、大きく分けて三つあります。バネで戻すタイプ、おもりを入れて重さを出すタイプ、そして実際にハンマーの機構を組み込んだハンマーアクションのタイプです。ピアノの練習用として選ぶなら、ハンマーアクションを備えたものが基本になります。

ハンマーアクション鍵盤の中でも、素材による違いがあります。樹脂製の鍵盤が一般的ですが、上位の機種では木製鍵盤や、表面だけ木を使ったものが採用されます。木製鍵盤は長さがあり、鍵盤の奥のほうを押したときの感触が自然になりやすいという特徴があります。ただし価格は上がり、湿度の影響も受けやすくなります。

もう一つ見ておきたいのが、鍵盤表面の仕上げです。象牙調・黒檀調と呼ばれる、わずかにざらつきのある加工がされたものは、指の汗で滑りにくくなります。長時間弾く人ほど効いてくる部分です。

音源とスピーカーの違いが出るところ

音源とは、鍵盤を押したときに鳴る音のデータと、その鳴らし方の仕組みのことです。実際のピアノを録音した音を使う方式が広く採用されていますが、機種によって、弱く弾いたときと強く弾いたときの音色の変化をどこまで細かく持っているかが変わります。ここが粗いと、強弱をつけても音量が変わるだけで音色が変わらず、単調に聞こえます。

あわせて確認したいのが、ペダルを踏んだときの響きや、弾いていない弦が共鳴する音を再現しているかどうかです。上位機種はこうした周辺の響きを持っているため、和音を鳴らしたときの広がりが違って聞こえます。

スピーカーは、本体のどこに何個ついているかで印象が変わります。数が多く、上向きと下向きに配置されている機種は、弾いている本人に音が届きやすい作りです。ただし、ヘッドホンで弾く時間が長い家庭では、スピーカーよりヘッドホン端子の音質と挿しやすさのほうが体感に効きます。集合住宅で使うなら、自宅で楽器を練習するときの防音対策も合わせて考えておくと、置いてから困りません。

ペダルの数と作り

ペダルは、本数だけでなく踏み心地も見ます。ポータブル型に付属する箱形のスイッチ式ペダルは、踏むと入・切が切り替わるだけのものが多く、半分だけ踏んで響きを調整する操作には向きません。

据え置き型はスタンドに三本のペダルが組み込まれているのが一般的です。右のダンパーペダルが最も使用頻度が高く、この一本が段階的に効くかどうかが実用面での差になります。中央と左のペダルは、曲によっては使わないまま過ぎることもあります。

ポータブル型を選ぶ場合でも、別売りで踏み込みの深さを検知できるペダルが用意されている機種があります。ペダルを使う段階まで進む見込みがあるなら、対応の有無を先に確認しておくほうが無駄がありません。

据え置き型とポータブル型

据え置き型は、専用スタンドと三本ペダルが一体になった家具のような形です。設置してしまえば安定し、譜面台やフタも付いているため、日常的に弾く環境としては扱いやすくなります。一方で重さがあり、動かすのは簡単ではありません。

ポータブル型は、本体だけで持ち運べる薄い形状です。スタンドやペダルは別に用意します。部屋を移動して使う人、いずれ持ち出す予定がある人には向きますが、置き場所が決まっているなら据え置き型のほうが結果的に落ち着きます。

見る点据え置き型ポータブル型
設置組み立てて固定するスタンドを別に用意
ペダル三本が一体で付属簡易ペダルが多い
移動基本的に動かさない持ち運べる
向く人置き場所が決まっている移動や収納が必要

予算帯ごとの現実的な選び方

価格が上がるほど良くなるのは確かですが、どこから効いてくるかには順番があります。限られた予算なら、鍵盤にまず配分し、音源やスピーカー、内蔵曲などの機能は妥協するほうが後悔しにくくなります。機能はあとから他の機材で補えますが、鍵盤だけは本体を買い替えないと変わりません。

入門帯では、ハンマーアクション鍵盤で88鍵あることを最低条件にすると選びやすくなります。中位帯になると、鍵盤の表面加工やペダルの検知、音色の変化の細かさが加わります。上位帯では木製鍵盤や響きの再現が入ってきますが、この差が体感できるかは弾く人の段階によります。始めたばかりの子どもに上位帯を最初から用意する必要はありません。

子どもが習い事として始める場合は、続くかどうかが読めない段階でもあります。予算配分と将来の扱いについては、子どもの楽器の習い事の考え方も参考にしてください。電子ピアノは調律が要らない代わりに、電子部品を含む機器です。直射日光と極端な乾燥・多湿を避けて置くと、状態を保ちやすくなります。

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