ギターの弦交換|頻度の目安・手順・そろえておく道具

🎸 ギター・ベース | 楽市編集部

弦交換のタイミングの見分け方、必要な道具、交換の手順、交換後にやることまで。はじめて自分で弦を張り替える人向けに順を追って説明します。

ギターの弦は消耗品です。弾いているうちに少しずつ音が曇り、チューニングも合いにくくなっていきますが、毎日触れているとその変化に気づきにくいものです。そのため「切れてから替える」という人も少なくありません。

弦交換に特別な技術は要りませんが、順番と力加減にいくつかコツがあり、そこを外すとチューニングが安定しなかったり、ペグ周りに余計な負担がかかったりします。

ここでは、替えどきの見分け方、そろえておく道具、交換の手順、交換後に音が落ち着くまでの扱いを順に説明します。はじめて自分で張り替える方が、迷わず最後までたどり着けることを目安にしています。

弦を替えるタイミングの見分け方

いちばんわかりやすいのは音です。新しい弦は倍音がよく出て、芯のある明るい響きがします。これが落ちてこもった音になってきたら替えどきの合図です。録音して聴き比べると、耳の慣れを外して判断しやすくなります。

次に見るのは手触りです。弦の裏側、フレットに当たっている面を指でなぞってみてください。ざらついていたり、細かい凹みができていたりしたら、弦とフレットが削り合っている状態です。ここまで来ると、押さえてもピッチが合わなくなってきます。

見た目でも判断できます。巻き弦がくすんで黒ずんでいる、フレットに当たる位置だけ色が変わっている、緑がかったサビが浮いている、といったものは交換の目安です。サビは指板やフレットにも良くないので、見つけたら早めに替えます。

弾いているうちにすぐ狂う、開放弦は合っているのにハイポジションで合わない、といった症状も弦の劣化で起きることがあります。ペグやナットの問題であることもありますが、まず弦を替えて切り分けるのが簡単です。

頻度の目安(弾く量別)

交換の頻度は、弾く時間・手の汗の質・保管環境で大きく変わります。同じ弦でも、毎日弾く人と月に数回の人ではまったく違う減り方をしますので、「何か月ごと」という一律の答えはありません。それでも、考え方の軸はあります。

毎日1時間以上弾く人であれば、月に1回程度の交換がひとつの目安になります。週に数回、1回30分ほどという弾き方なら、2〜3か月に1回でも音の変化は追いつきます。ほとんど弾かない場合でも、弦は空気に触れているだけで酸化しますので、半年から1年に1度は替えておくと、いざ弾くときに気持ちよく鳴ります。

手汗が多い人は、この目安より早く来ます。汗の成分は弦のサビの原因になるため、体質によっては数週間で表面が変わることもあります。弾き終わったあとに乾いたクロスで弦を拭くだけでも持ちは変わりますので、頻度を延ばしたい方はここから始めるとよいでしょう。

もうひとつ、本番やレコーディングの前は日程から逆算して替えます。ただし直前は避けます。張りたての弦はしばらく伸びてチューニングが動くためです。

そろえておく道具

最低限あればよいのは、次の3つです。

加えて、あると良いのがクロスと指板用のオイル、アコースティックギターならブリッジピンを抜く道具です。ピン抜きはストリングワインダーの先端に付いていることが多く、そのタイプなら1本で足ります。ピンをペンチで直接つまむと傷が付くので避けてください。

弦を全部外した状態は、指板を掃除できる数少ない機会です。ローズウッドやエボニーの指板であれば、乾燥が気になるときにオイルを薄く入れておきます。頻繁にやる必要はなく、指板が白っぽく乾いて見えるときだけで十分です。保管環境と湿度の関係はギターの保管方法のほうで扱っています。

交換の手順

ギターは安定した場所に寝かせて作業します。ネックの下に丸めたタオルを入れて支えると、ペグを回すときにギターが動かず楽になります。

  1. 弦を緩める — ペグを回して音を下げていきます。どちら向きに回すと緩むのかは、最初に1つ確かめてから進めると迷いません。
  2. 古い弦を外す — 十分に緩んだらニッパーで切り、ペグ側とブリッジ側それぞれから抜きます。切った弦の端は鋭いので、手や目に向かないよう注意します。
  3. 指板と本体を拭く — この段階で掃除を済ませます。
  4. 新しい弦を留める — アコースティックならブリッジピンで、エレキならブリッジの穴に通して固定します。ピンは押し込みながら弦を軽く引き、ボールエンドが中で引っかかる位置に落ち着かせます。
  5. ペグに巻く — 弦を穴に通し、巻く分の余りを取ってから回します。巻きは下方向へ、隙間なく重ならないように整えます。
  6. 太い弦から順に — 順に張ることで、ネックへの負担の変化がなだらかになります。
  7. 余りを切る — チューニングをおおよそ合わせてから、ペグの近くで切ります。

巻き数は、太い弦で2回程度、細い弦で3回程度が目安です。多すぎても少なすぎても不具合が出ます。

巻きすぎ・緩みで起きること

巻き数が多すぎると、ペグポストの上で弦が重なり合います。重なった部分は演奏中に少しずつ動き、締まったり滑ったりするため、チューニングが安定しません。ポストの上のほうまで巻きが積み上がって、ナットへの弦の角度が浅くなることもあります。

逆に巻き数が少なすぎると、ポストと弦の摩擦が足りず、張力に負けて弦がずれます。これも狂いの原因ですし、悪くすると弾いている最中に抜けます。ペグ穴に通した弦の先端を、巻いた弦自身で押さえ込む形にすると、少ない巻き数でも滑りにくくなります。

ブリッジ側の留めが甘いときも同じ症状が出ます。アコースティックギターでピンが座っていないと、弾いているうちに浮いて音程が下がります。張るときに弦を軽く引きながらピンを押さえ、ボールエンドが裏に当たる感触を確かめてください。

交換後のチューニングが安定するまで

張りたての弦は伸びます。これは不良ではなく、金属が張力に馴染む過程で必ず起きることです。放っておいても数日で落ち着きますが、その間はチューニングが下がり続けるため、弾くたびに合わせ直す必要があります。

早く落ち着かせたいときは、弦を軽く引き伸ばします。12フレットあたりで弦を指で持ち上げ、数センチ浮かせて離す。これを各弦で数回繰り返し、そのつどチューニングし直します。音程が下がらなくなってきたら、伸びがほぼ終わったサインです。強く引っ張りすぎると弦を傷めるので、あくまで軽くにとどめます。

本番前に交換する場合、この時間を見込んで前日までに済ませておくのが安全です。当日に張って、リハーサル中ずっと合わせ直す羽目になるのはよくある失敗です。

それでも狂いが収まらないときは、弦以外に原因があるかもしれません。ナットの溝で弦が引っかかっている、ペグにガタがある、といったケースです。弦の太さ(ゲージ)を以前と変えた場合は、ネックにかかる張力も変わりますので、弾き心地に違和感が残るようなら楽器店で相談してみてください。これから最初の1本を選ぶ段階の方は、初心者のギターの選び方ベースの選び方のほうも参考になります。

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